コラム 薔薇影 秋山 基夫
(毎月2回更新)

第16回 等身と等身大(続)

 「等身と等身大」と同じの関係のものに、「原寸と原寸大」、「実寸と実寸大」がある。しかし同寸には同寸大はない。ないとなれば原寸にも実寸にも大をつけなくてもいいし、等身にも大はいらないだろう、と考えたくなる。つまり等身大という言葉はいらない、となりそうだが、それがならない。原寸大は原寸の大きさ、実寸大は実寸の大きさ、等身大は等身の大きさを言う。だから大がつかないのとついたのとでは意味が違うのだ。いや、違わないだろう。等身は身の丈と等しいことで、等身大は身の丈と等しい丈のことだから、つまり両者は同じ意味だ。両者は同義語なんだ。(つづく)
  

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